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65歳で定年退職したらどうなる?年金・失業保険・健康保険の手続きと損得

65歳で定年退職したらどうなる?年金・失業保険・健康保険の手続きと損得

|8分で読めます

65歳退職のポイント——年金が始まる節目の退職

65歳は老齢年金の受給が始まる年齢であり、多くの企業で定年退職の年齢でもあります。退職後の手続きや受けられる給付は、65歳を境に大きく変わります。

この記事では、65歳で退職する場合に知っておくべき年金・失業保険・健康保険・退職金・住民税の手続きと損得を解説します。


65歳退職で変わること——一覧表

項目 65歳未満の退職 65歳以上の退職
年金 原則として受給前(繰上げ受給は可能) 老齢基礎年金+老齢厚生年金の受給開始
失業給付 基本手当(最大90〜330日分) 高年齢求職者給付金(一時金:30〜50日分)
年金と失業給付の併給 不可(基本手当の受給中は年金停止) 併給可能
健康保険 任意継続・国保・扶養の3択 同じ3択(75歳で後期高齢者医療制度へ移行)
介護保険 第2号被保険者(給与天引き) 第1号被保険者(年金天引き or 普通徴収)

年金——65歳から受け取れる年金の仕組み

老齢年金の受給開始

65歳になると、以下の2つの年金を受け取れます(受給資格期間10年以上の場合):

  • 老齢基礎年金:国民年金の加入期間に基づく年金(国民年金法第26条)
  • 老齢厚生年金:厚生年金の加入期間に基づく年金(厚生年金保険法第42条)

参考:老齢基礎年金の満額は年間約80万円です(年度により改定。最新額は日本年金機構のサイトで確認してください)。加入期間が40年(480月)に満たない場合は、その期間に応じて減額されます。

繰下げ受給——受給開始を遅らせると年金が増額

年金の受給開始を66歳〜75歳に遅らせると、**1ヶ月あたり0.7%**増額されます(国民年金法第28条、厚生年金保険法第44条の3)。

受給開始年齢 繰下げ月数 増額率
65歳(通常) 0%
66歳 12ヶ月 8.4%
70歳 60ヶ月 42.0%
75歳(上限) 120ヶ月 84.0%

※ 老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ別々に繰下げの選択ができます。

在職老齢年金——働きながら年金を受けると

65歳以降も厚生年金に加入して働く場合、年金の基本月額と総報酬月額相当額(給与+直近1年の賞与÷12)の合計が支給停止調整額を超えると、超過分の1/2が支給停止されます。

計算例(支給停止調整額が50万円の場合): 年金月額15万円、総報酬月額相当額40万円 → 合計55万円 55万円 − 50万円 = 5万円超過 → 5万円 × 1/2 = 2.5万円が支給停止

※ 支給停止調整額は物価や賃金の変動により毎年改定されます。年度ごとに日本年金機構で確認してください。


失業給付——65歳以上は「高年齢求職者給付金」

65歳以上の失業給付は一時金

65歳以上で離職した場合、通常の基本手当ではなく**「高年齢求職者給付金」**(一時金)が支給されます(雇用保険法第37条の3)。

被保険者期間 給付日数
1年以上 基本手当日額の50日分
1年未満 基本手当日額の30日分

65歳未満の基本手当との比較

項目 基本手当(65歳未満) 高年齢求職者給付金(65歳以上)
支給方式 4週間ごとに分割支給 一時金(一括支給)
最大日数 90〜330日(年齢・勤続による) 30〜50日
年金との併給 不可(受給中は年金が停止) 可能
求職活動 必要 必要

ポイント:65歳以上の高年齢求職者給付金は年金と同時に受け取れるのが最大のメリットです。65歳未満の基本手当は日数が多い一方、受給期間中は年金が全額停止するデメリットがあります。

退職日と65歳の境目——注意点

年齢計算に関する法律(明治35年法律第50号)により、誕生日の前日に満年齢に達するとされています。このため、65歳の誕生日の前日が法的に「65歳に達した日」になります。

退職日が65歳到達の前後どちらになるかで、適用される給付が変わります。具体的な退職日の判断は、事前にハローワークで確認してください。


健康保険——退職後の3つの選択肢

65歳退職後の健康保険は、他の年齢と同じく以下の3択です:

選択肢 概要 手続き期限
任意継続 退職前の健保を最大2年間継続 退職日翌日から20日以内
国民健康保険 市区町村の国保に加入 退職日翌日から14日以内
家族の扶養 配偶者等の健保の扶養に入る 速やかに(5日以内が目安)

各選択肢の保険料比較は → 退職後の健康保険はどれが安い?任意継続・国保・扶養を比較

75歳で後期高齢者医療制度に移行

75歳になると、どの健康保険に加入していても後期高齢者医療制度に自動移行します(高齢者の医療の確保に関する法律第50条)。


退職金——65歳定年退職の税金

退職所得控除の計算方法

退職金にかかる税金は、退職所得控除によって大幅に軽減されます(所得税法第30条)。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円 × 勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

計算例

勤続38年(例:大卒22歳入社 → 60歳定年 → 65歳まで継続雇用)の場合:

退職所得控除 = 800万円 + 70万円 ×(38 − 20)= 800万円 + 1,260万円 = 2,060万円

退職金が2,060万円以下なら、退職所得にかかる所得税・住民税は計算上発生しません(他の所得がある場合の影響は別途ご確認ください)。

重要:退職金受給時に**「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出してください**。提出しないと退職金の20.42%が一律に源泉徴収されます(確定申告で精算は可能ですが手間がかかります)。

退職金の仕組みについて詳しくは → 退職金の基礎とシミュレーション


介護保険——65歳で「第1号被保険者」に変わる

65歳以上は介護保険の第1号被保険者となります(介護保険法第9条第1号)。

項目 在職中 退職後
保険料の支払い 給与からの天引き 年金からの天引き(特別徴収)or 市区町村からの納付書(普通徴収)

保険料額はお住まいの市区町村によって異なります。


住民税——退職後も翌年まで支払いが続く

住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職後も翌年6月まで住民税の支払いが必要です。退職月によって一括徴収になるケースもあります。

退職月による徴収方法の違いは → 退職後の住民税ガイド


定年後の働き方——選択肢と制度

継続雇用(再雇用)制度

高年齢者雇用安定法により、企業は65歳までの雇用確保が義務付けられています(第9条)。さらに、2021年4月施行の改正法で70歳までの就業機会確保が努力義務となりました(第10条の2)。

転職

65歳以降も他社に転職できます。ハローワークのシニア向け窓口を活用しましょう。

起業・フリーランス

国民健康保険に加入します。国民年金は65歳未満が対象の制度のため、65歳以降は加入義務がありません。

完全リタイア

年金+退職金+貯蓄で生活する場合でも、年金額や医療費によっては確定申告が必要なケースがあります。ただし、公的年金等の収入が400万円以下(全額源泉徴収済み)で他の所得が20万円以下であれば、確定申告不要の特例があります(所得税法第121条)。ただし、医療費控除やその他の控除を受けたい場合は確定申告が必要です。詳しくは税理士にご確認ください。


65歳退職のチェックリスト

  • 年金の受給手続き(年金請求書の提出)——65歳の誕生日の3ヶ月前に日本年金機構から届きます
  • 失業給付(高年齢求職者給付金)の申請——離職票をハローワークに提出
  • 健康保険の切り替え——任意継続の場合は退職日翌日から20日以内
  • 介護保険——退職後は市区町村の徴収に切り替え
  • 住民税——退職月に応じた一括徴収 or 普通徴収を確認
  • 退職所得の受給に関する申告書——退職金受給前に会社に提出

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出典

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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務・社会保険に関するアドバイスではありません。本ツールのシミュレーション結果は参考値であり、正確性を保証するものではありません。法令は改正される場合があります。具体的な判断・手続きについては、社会保険労務士・税理士・弁護士等の専門家にご相談のうえ、最新の就業規則・公的情報をご確認ください。

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